赤ちゃんの頭の形が気になるとき

赤ちゃんの頭の骨は、大人と違ってまだ柔らかく、いくつかの骨が組み合わさった状態です。生まれてから脳が大きく成長していくために必要な仕組みですが、そのぶん、同じ方向から長く圧がかかると頭の形が変わりやすい時期でもあります。「後頭部が平らに見える」「左右差がある気がする」など、頭の変形が気になると、将来の見た目へのコンプレックスや発達・知能への影響、将来的な頭痛などの身体への影響など、保護者のみなさまが不安を感じるのは当然のことと思います。

よくみられるのは、向きぐせや寝る姿勢に伴う頭の変形で(位置的頭蓋変形)、後頭部の片側が平らになる斜頭、後ろ全体が平らになる短頭などがあります。これは決して、保護者の育て方が悪いから起こるものではありません。お腹の中での姿勢、生まれた後の向きぐせ、首の動かしやすさ、早産、多胎などのさまざまな要因が関係します。

一方で、頭の骨のつなぎ目が早く閉じてしまう「頭蓋縫合早期癒合症」や首の筋肉に異常がある「筋性斜頸」は病気であり、専門的な評価や治療が必要になることがあります。昨今では、市販の矯正器具やマッサージなどの情報も目につくかもしれませんが、まずは乳児健診やワクチン接種などの機会を利用して、これらの “病気によって起こる頭の変形” を除外することが大切です。

向きぐせは赤ちゃんの15〜25%ほどに見られ、頭の変形のみならず、股関節にも悪影響があります。向きぐせについて家庭でできる対応としては、ベッドでの頭と足の向きを逆にする(ローテーション)、向きぐせと反対側から声をかける、抱っこの向きを変える、などがあります。また、起きていて大人が見守っている時に行う「タミータイム(腹ばい練習)」も、頭への圧を減らし、首や体の発達を促す方法として知られています。ただし、寝る時のうつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群や窒息のリスクがあるため避けましょう。赤ちゃんの睡眠は、原則として仰向けが大切です。頭の形を心配するあまり、安全な睡眠環境が崩れてしまってはいけません。

赤ちゃんの頭の変形は、多くの場合、首がすわり、寝返りやおすわり、はいはいが進むにつれて、少しずつ目立にくくなっていきます。ただし、以下の時には早めに(生後6ヶ月になる前に)健診や診察でご相談ください。

変形が強いと感じる
耳の位置やおでこの左右差が目立つ
向きぐせが強く、特に首が片方にしか向かない
頭の形が急に変化してきたように感じられる

ヘルメット治療は、頭の形を整える治療法のひとつです。特に中等症以上で、月齢が早い時期(6ヶ月未満)に検討されることがあります。短期的に頭の形の指標が改善したり、耳の位置のずれが改善することがわかっていますが、長期的な見た目や発達への影響については、まだはっきりしていない部分もあります。また、自費診療で費用が高額になることも多く、装着時間や皮膚トラブルなどの負担もあります。

赤ちゃんの頭の形が気になった時に大切なのは・・

寝かせ方や抱っこについての正しい知識を得て実践すること
健診やワクチン接種の機会を利用して、頭や首の診察を受けること
頭の形の自然な成長について知り、治療についての選択肢を説明してもらうこと


と考えています。

当院では、赤ちゃんの頭や体の健やかな成長・発達のため、保護者のみなさまの不安や疑問に耳を傾けながら、お子さんにとって最適な選択を一緒に考えていきたいと思います。

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